MMOを題材にした小説について

[MMO系]
私の知る限りでは、この分野の先駆けとなったのは「クリス・クロス 混沌の魔王」です。自身が何らかの影響でゲームの中に閉じこめられてしまい、その状況を打開するために仲間と共に、主人公をその世界に閉じこめることになった”ナニカ”と闘うことになる。これがこのジャンルの骨子です。戦略、戦術以上に個人の実力に焦点を当てやすくなるので、主人公が経験を積んで強くなっていくという過程がより楽しめるジャンルだと思います。
ゲームの中に閉じこめられるということは、その世界を情報として知っているだけで、異なる世界に突然迷い込むというものと同義ではないでしょうか。つまり広義としての異世界迷い込み(召還)系と考えられます……が、そういう認識で紹介してもいいのだろうか?それとも一般的にはMMO系は一つジャンルという認識なのだろうか?一応ここでは勘違い系ssというかなりニッチなものを紹介しているので、後者の認識で紹介する事にします。

http://wordgear.x0.com/novel/
Word Gear 九里史生(くのり ふみお)氏
Sword Art Online(SAO)シリーズ
オリジナル MMO 最強物 黒 長編 完結
恐らくMMO系の小説といえばまずこれが挙げられるくらい有名です。目を通したことのない方は見て損は無いと思います。SAOシリーズの最終章である「Sword Art Online 4 Alicization」が完結しました。2005年から3年半にも及ぶ長期に渡って書き上げた話数は脅威の”310話” web小説上で稀に見る怪作です。プロットの構築が実に巧く、広げに広げた風呂敷を見事に畳み切る技量は圧巻の一言。商業版で出ても通じるレベルと感じたのは「和風Wizardry純情派」以来でした。
内容としては、前作、前々作の影響もあり、主人公のキリトが主人公of主人公というべき存在になっている点が気になるところ。最強物が苦手な人にはちと鼻につくと思われるのが残念。バランスでいったら初作の無印SOAが良いので、まずはそちらから読むことを推奨します。